債券価格が高いということは、債券利回りの低さを意味します。
事実、国債の利回りは1.3%前後という低さです。にもかかわらず債券にお金が集まっているのです。そして株価は低迷しています。要するにお金は行き場を失っているのです。債権やFX市場に流れ込みます。
現在の日本の不況は、モノ余り・カネ余りで消費も設備投資も伸びず経済が停滞し、お金はとりあえず安全な国債やFXの円に逃げこんでいるのです。
しかし、現在の国債のあまりの高値、逆に言えば低利回りは異常すぎます。ふつうならそんな低い利回りに誰も見向きはしません。FX市場での円も同じです。
さらにそうした膨大な赤字国債を発行しつづける国の信用は、本来ならガタ落ちとなるところです。つまり、日本の国債に対する需要は落ちても不思議はないのです。
日本のように経済力を持たないアジアの途上国で、これだけの額の借金をかかえていたら、海外の投資家はリスクを感じ、FX市場で通貨や国債を売りに出るはずです。
いわば現在の状況は、表現の仕方は不適切かもしれませんが、債券バブル・円バブルという見方もできます。国債購入を行っているのは、銀行などの金融機関が中心です。その資金は民間の低金利の膨大な貯蓄です。